ベビーパウダー山崎

唐獅子株式会社のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

唐獅子株式会社(1983年製作の映画)
3.0
曽根中生も語っているが中盤は水のイメージで繋げてからの『雨に唄えば』、追いかけっこのくだりは様々な乗り物を動かしてやっさんお得意のボートでフィニッシュ。物語(シナリオ)に書かれていない部分をどう膨らませて「映画」にするかが監督の才能。それが成功しているかどうかは別にして、娯楽として割り切るとこれぐらい簡単に撮ってしまうのが曽根中生。
横山やすしは飛び道具ならまだしも出ずっぱりは飽きてくる。おそらく東映主体で吉本が金だしてという流れだと思う。映画、Vシネにおける吉本のアウトロー路線、根っこは芸人もヤクザも同じ枠組み。島田紳助と明石家さんまもちょこっと出てくる。
賑やかし程度の特別出演かと思えば変なヅラ被ってそれなりに画面に現れる丹波哲郎。ただ面白いことをしようとする丹波哲郎は面白くないというジレンマ。内藤誠と桂千穂のシナリオはめちゃくちゃ。構成という名目で笠原和夫、曽根がホンを書き直さないようにするための処置だったらしいが、虚実ないまぜの曽根がそう言ってるだけなので本当かどうかは分からぬまま。