タキ

デッドマンのタキのレビュー・感想・評価

デッドマン(1995年製作の映画)
3.7
作品中によく暗転があるんだけど、あの暗転みたいに意識が朦朧とし、ふと気づくと寝てたみたいなことが多発して、3日かけてやっといま見終わったところ。
ノーボディが語るウィリアムブレイクの詩が難解でなにがなにやらさっぱりわからなかったけどモノクロのジョニーデップがとにかく美しかった。カメラが顔面にどれだけ寄っても隙のない美しさで、全体に薄汚れていて、もっさいスーツにハット、でっかい毛皮のコートにインディアンメイクをしているというヘンテコスタイルでもかっこよくてほれぼれしてしまう。弱ったテイで横たわるジョニデの美しさには思わず拝みたくなるような神々しささえある。
たぶん女の部屋で撃たれ、ほどなくしてブレイクは死に、ノーボディは彼の魂を死の国に連れて行く役目だったのかなと思う。ブレイクの非業の死で、身体から彷徨いでたひ弱な魂が血で洗われ、汚れていくどころが次第に浄化していくプロセスを見ているようだった。
物語に大した起伏がなくなんだかよくわからないけど示唆的で映像が美しく劇伴に思い入れがたっぷりありそうな、これぞジム・ジャームッシュという感じの作品だった。
タキ

タキ