生涯夜に包まれる者と、
生涯光に包まれる者がいる。
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ジム・ジャームッシュ×ジョニー・デップ×西部劇。
普段のジャームッシュのオフビート感よりは幾分か濃厚。それはテーマとして死がべったりと付き纏っているからか。
やっぱり彼の作品のオープニングは、いつも素晴らしいと思う。
台詞がないままで、たっぷり時間をかけたカットで、その世界線へ強引に連れて行く感じ。
「生きた」人間であった頃の主人公ウィリアムブレイクの時は、就職という目的のために半ば受動的に人生を引っ張れていくのに対して、
死人=詩人のウィリアムブレイクは、死から逃れるような死へ向かうような、目的も境界もないまま放浪を続ける。
このコントラストがありつつも、
彼の目に入るのはいつも決まって死ばかり。
全ての死を眺めながら水面に浮かぶウィリアムは水葬のさながらでも、なぜか生者=聖者としての矜持を纏う。
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常に死にかけているジョニーデップ。
徐々に身体が重くなるのが画面から伝わる。
この時代のジョニーデップの
インデペンデント感は凄く良い立ち位置だと思う。
彼のキリッとした美貌のすぐ裏に、ユーモアと創造性の眼光を感じる。