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火垂るの墓のMobydickのレビュー・感想・評価

火垂るの墓(1988年製作の映画)
4.5
地上波でやってたので初めて見てしまった。
途中からしか見てないけど号泣。ただただ号泣。

ものすごいリアリティーで、貧困はもうたくさんだ、諦めなければならないなんて、戦争なんてもうたくさんだというメッセージが伝わってくる。
主人公兄弟を小さい世界の小さい人物として描くことで、逆説的にこれはこの時代にありふれた、よくある悲惨な物語だったとわかる。

いまのわたしは昔の出来事を知らずに数字で見て、成長余地や成長ドライブのあった、努力すれば這い上がれた時代だから戦後から高度成長に至るまでの人たちを羨ましいなんて思うこともあり、当時の人たちと今の自分を相対的に比較できたつもりになっていた。
でもどの時代の人も自分たちのいる現在を客観的になんか評価できないし、必死に生きている人はいつの時代だっているし、たとえマクロ的にある側面で恵まれて見えようが、やっぱり戦争なんてまっぴらだとおもわせてくれる。

ロジックで考えてしまう頭を突き崩してくれるのは、こういう映画なんだと学びました。

あと小さい子を昨今の萌え的な演出ゼロで出してくれるのは、ストーリーとかメッセージに集中するために結構大事な気がした。
それはそれで好きな人たちはやってればいいと思うけど、個人的にはノイズだと思うので。
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