ともぞう

斬るのともぞうのレビュー・感想・評価

斬る(1968年製作の映画)
3.0
マカロニウエスタン風の時代劇。高評価だが、個人的には刺さらず。ただ、神山繁は知的で悪徳役人がピッタリだなと思った。

〈あらすじ〉
天保4年。空っ風が砂塵を巻き上げる上州は小此木領下に2人の男がふらりと現われた。ひとりはやくざの源太(仲代達矢)。実は2年前に、役目の上から親友を斬り、武士を棄てた男、兵頭弥源太である。もうひとりは、田畑半次郎(高橋悦史)。実は百姓に厭気がさし、田畑を売って武士になろうとしている男である。2人が姿を現わしてから間もなく、野々宮の宿場で城代家老溝口佐仲(香川良介)が青年武士7名に斬られた。小此木藩は溝口の圧制下住民たちの不満が絶えず、つい最近、やくざまで加った一撲を鎮圧したばかりだった。しかし、血気盛んな青年武士たちにとって、腐敗政治は許せるものではなかったのだ。そして、さしもの権勢を誇った溝口も、ついに倒されたのだった。しかし、ひそかに機会を狙っていた次席家老鮎沢(神山繁)は、私闘と見せかけて7人を斬り、藩政をわが物にしようと討手をさしむけたのだ。青年たちはやむなく国境の砦山にこもり、期待と不安を抱いて江戸にいる藩主の裁決を待った。鮎沢はそれに対し、腕の立つ狼人を募り、砦山に向かわせたのだ。半次郎は、武士にとり立てるという鮎沢の誘いに応じた。しかし、源太は藩政改革を志す青年たちの味方になり、2人は敵味方に分れて戦うことになった。一方、砦山に篭った青年たちも、その1人笈川(中村敦夫)の許嫁千乃(星由里子)が来たことから、美貌の彼女を間に対立する雰囲気が生まれてきた。また討手の狼人たちも、鮎沢に見殺しにされる状態になったため、藩士と戦いを交える有様だった。この戦いで、狼人たちの組長十郎太(岸田森)が死んだ。こうした情勢から、半次郎もようやく鮎沢の狡猾な政略を見抜いて怒った。それは鮎沢の命令を受けている藩士たちも同じ気持で、彼らはついに青年たちを討つことは出来なかった。その頃、源太は鮎沢を斬っていた。藩政改革の騒動は終った。源太、そして武士になる志を捨て“土の匂いのする”トミ(鈴木えみ子)を連れ、それぞれこの地を去っていった。
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