巨大アリと人間の戦いを描いたパニックモンスター映画。
奇しくも初代ゴジラと同年に製作されたこの白黒映画作品。
核実験による突然変異、キュルキュルと高い周波数で鳴く声、ゆさゆさ横に揺れながら前に進む円谷的特撮感に満ち満ちた怪物の挙動はすごく好感が持てる。
しかもテンポの遅さ、動きの緩さから脱力感のあるかわいさすら出ている気がする。
ただ本作の巨大アリの方がゴジラに比べるとだいぶ小柄なぶん倒しやすく、その代わり繁殖力に長けているという特性を持つ。
そのため、どうしようもない驚異と立ち向かう人々ではなく
「巨大アリの巣を見つけて駆逐しよう!特に女王アリは念入りに!」
という目的意識がなんだか童心に返してくれた。
幼少期、公園のアリを駆逐すべく洗剤を溶かした水を巣に流し、水責めにして遊んでいた時を思い出した。
本作はそんな残虐な人間たちを報復するアリ達の生涯を追ったドキュメントなのである(適当)