邦画はやはりキャラが命だと思う。
北欧やフランスのような美しい町並みがあるわけでもなく、 アメリカのような、CGに使える大金、スケールアクションの技術があるわけでもないから。
やはりストーリーで楽しませ、キャラクターで楽しませなければならない。
だからこそ、邦画で「面白い」と思わせるにはすごくテクニックがいるし、実は超難しいことなんだと思う。
今回の「鍵泥棒のメソッド」は、やはりキャラクターがすばらしい。
配役もすばらしい。
(一見)超悪い猟奇殺人鬼・・だけどほんとは・・?な香川さん。
かっこつけでヘタレにみえるけど、意外なところで勇気を発揮する堺さん。
淡々と挫折を知らない人生を歩んできた、ちょっと変わった真面目さをもつ広末さん。 全員ハマリ役。
ヤクザ役の荒川良々さんなんか、もはやこの人じゃなきゃだめだったろう・・と思うほど 怖いし怪しいし。
荒川良々さんは、ドラマとかで割と天然キャラとかお笑いキャラを演じているのを拝見して、 そのときも「はまり役ぅ!」とか思ったので、今回の超コワヤクザ役もはまってるなんて なんて多才なんでしょうねー。
すてき。
内田けんじ監督といえば、伏線の魔術師・・というか 運命じゃない人、アフタースクールももちろん楽しませていただいたんですけど 張られた伏線、気になるポイント、すべてが回収されていくカタルシスを体感できることが何よりも魅力。
それと、登場人物みんなが好きになってしまう・・人間臭さとか、なんていうか、悪意の無さというか。
観ていて素直に楽しい!っていえる 独特な感覚を味わえる、数少ない監督だと思います。
今回の「鍵泥棒のメソッド」は、最初から目が離せない展開ですし、 さらに、要所要所で笑いもたくさん入ってくるので、かなり楽しめる事間違いなし。
映画のエンタメ性ってこういうところにあるんじゃないかな?
登場人物を愛してしまい、ハッピーエンドをどこまでも願って、 そして、誰も傷つかない。
理想的な世界。
悪意の無い世界。
だからこそ楽しめるし、幸せになれる。
現実じゃなかなかないのに、人の本質的な善良さを信じたくなるような、そんなハピネスな映画。
安心して、みてください。
きっと後悔しないで、映画を観終わった後には大満足。
ほっこりします。
平和な気持ちで見ることができます。
「映画みたいけどなにみようかな?」そんなとき、気軽に観にいって正解。
カップルで観にいくと、もしくは、好きな人と観にいくと、胸キュンしちゃうかもです。
オススメ!
ストーリー 5
演出 5
音楽 4
印象 4
独創性 5
関心度 5
総合 4.6