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エスターのdsk1231のネタバレレビュー・内容・結末

エスター(2009年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

養子として迎えいれた、大人びた少女エスター。
彼女が一家を滅茶苦茶にしていく様を描くサスペンスホラーです。

羊たちの沈黙のレクター博士に匹敵する、名悪女キャラの誕生として語り継がれるべき映画ではないかと思いました。

少女とは思えない異常なまでの悪賢さにビビりながら見進めて行くと、なるほど彼女は珍しい症例で、見た目だけ幼い33歳の女性であることがわかる。

ならば色々と行動の理由が分かる。
ケイトに対する敵対心は同世代の女性同士あるある?
ダニエルへの冷たい行動はただの小僧に対する塩対応。ジョンを誘惑するシーンは紛れもなく大人の女性の妖艶さを備えていました。

見事なまでにケイトを孤立させ、マックスを味方につけ、一つの家族を滅茶苦茶にしていく過程は恐ろしくもあり華麗でもありました。

エスターの過去が気になるところ。ロシアの精神病院を抜け出したこと。また旦那の誘惑に失敗した時点で家に火を放つという過去のやり口が語られるも、そもそもの生い立ちは謎のまま。
しかし、ジョンに子供扱いされ誘惑を断られた後のエスターの怒りや悔しさが彼女の人となりの多くを物語っていると感じました。

子供のフリをして得てきたもの。子供だからと得られなかったもの。エスターは一人の女性として愛されることが叶わないことで、精神を病んでしまったのだろうか。

そして続編が撮影されているということで、楽しみです。どうやらエスターの前日譚という内容のようです。楽しみ楽しみ。
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