このレビューはネタバレを含みます
「私はクソ女で、あなたはクソ女と結婚したのよ」
平和で幸せな日々、突然最愛の妻が失踪した。
そんな風に始まる本作ですが、後味の悪さはさすがのフィンチャー監督です。
ニコラスが絶対的な悪者となるよう世論を味方につけ、ミズーリ州の死刑制度を利用して死に追いやろうとするエイミー。
彼女は「完璧なエイミー」のモデルであり、また周囲の人間からの評価は美しく聡明。妊娠していたという偽情報やニコラスの浮気も発覚し、ニコラスの立場がいよいよ危うくなる。浮気の情報が出ることもエイミーの計画通り。
一方でニコラスはこんな状況でも浮気相手に癒しを求める救えない男ですが、唯一の見方である妹と凄腕弁護士に支えられ、少しずつイメージを回復させていく。
失踪中(世間からは殺されたと思われてる)のエイミーの計画も狂い始め、元恋人の束縛男デジーのもとに一旦逃げ込むが、そこにいることも都合の悪いエイミーは計画変更。正当防衛としてデジーを殺害し、誘拐による失踪という新たなストーリーを作り上げ、平気な顔でニコラスの元に帰ってくる。
そしてニコラスの子を妊娠することで、彼を地獄の結婚生活に閉じ込めた。
男女で評価の分かれそうな作品ですが、
私はエイミーの真の目的がすこし分かりづらいように思いました。(女心が分からないというやつでしょうか…)
計画通りにいけばニコラスは死刑になっていた。
ところが、最終的にはニコラスと結婚生活を送るというオチ。まるでエイミーの勝利のようですが、これってエイミーの中では何点の結末なんでしょうか。
若い娘と浮気したニコラスへの復讐のはず。今後エイミーと過ごすことになったニコラスは確かに地獄です。妹との最後の会話なんて、まるで監獄に入る前のよう。しかしエイミーにとっても、求めていたような生活じゃないよなあ。
とにかく復讐することがすべてだったのでしょうか。
私にとっては、怖ってなるより、???ってなる作品でしたよ。