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それでも夜は明けるのdsk1231のレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
3.8
黒人奴隷制度という人類史の汚点とも言うべき悪政。
その犠牲者となるも、尊厳を失わず希望を捨てなかったソロモン。そんな彼の自伝をもとにした映画です。

目を塞ぎたくなるようなシーンもあり、当時の黒人奴隷の境遇、つまり白人にとっては購入した「モノ」や家畜と同じ扱いを受けていたことや、その中でも雇用主?所有主?によって劣悪度が違うことなどが分かる。

先の見えない絶望的な生活のなかでも、家族を忘れず、人としての尊厳を守り白人に媚びないソロモンの生き様はかっこいい。
奴隷制反対派のカナダ人をわざわざブラピが演じているので、もう少し人物像を深堀りしてほしかったような気はします。おそらく詳細不明な人物なんでしょう。
ソロモンが奴隷から脱した後、この制度に対抗する様々な活動を行います。後の南北戦争、そしてリンカーンによる奴隷制度廃止に繋がる、歴史を動かした発端の1つという見方をすると感慨深いものがありました。

最後に誤解を恐れずに書くと、こういう映画だけを見て、奴隷制度は最悪だ!と単直に主張するのは憚られる性格です。人道的には大反対ですが、産業面で言えば強制的な労働力は少なからずアメリカの発展に好影響を与え、彼らが底上げした綿花産業は現代の我々の生活も豊かにしてるわけで…、いやここで書くのは違いますね。
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