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シェフ 三ツ星フードトラック始めましたのdsk1231のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「おれは立派な人間じゃない。父としても夫としても失格だ。だけど料理は上手い。お前にはそれを伝えたい。」


レストランのシェフとして辣腕を振るっていたカールは、腕は一流だが不器用で、父親としても決して出来た大人ではなかった。ある日、メニューに口を出すオーナーと対立し店を去り、さらに有名評論家にSNSで喧嘩を吹っ掛けたことでシェフとしての地位も失うことに。

元嫁の元夫(ややこしい)に助けられ、ボロキッチンカーを手に入れたところから、彼の再起は始まる。
同時に、今までしっかりと向き合ってこなかった息子のパーシーとの関係を見つめ直す。

キューバサンドイッチを販売しながらマイアミ~ロスを移動するなか、父であることが苦手なカールは、料理人としてパーシーと向かい合い、心を通わせていく。ウマイ料理を出して客が喜ぶことが幸せだ。そう語る父を見てパーシーは何を感じたのだろうか。いつの間にか、料理中はカールのことをパパではなくシェフと呼ぶパーシーの表情には敬意が現れている。

私はあまり父が仕事をしている様子を間近で見ることが少なかったので、二人の関係は少し羨ましくもありました。信念を持ち妥協せず何かに取り組む姿は問答無用でカッコいい。そんな不器用ながらも素晴らしい父子関係に心が温まります。

そしてもう一つ。
マーティンとカールの信頼関係もこの映画の見所だと思います。ボスを慕いマイアミまで登場したマーティン。その後の移動中も二人の掛け合いや、時には多くを語らずとも分かりあっている様子は、おなじレストランの厨房で働いた戦友そのものの空気感でした。

胸が熱くなるシーン。お腹が鳴りそうなシーン。料理は芸術や!と感動するシーン。色んな味を楽しめるまさにフルコース的な映画です。キューバサンドイッチ作ろ。
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