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刺青一代のeop421のレビュー・感想・評価

刺青一代(1965年製作の映画)
5.0
非常に美しい任侠映画です。
繰返し観ては溜息です。
ヤクザの兄と堅気の弟の兄弟愛のお話としても
もちろんですが、邦画の映像美的にも素晴しい
作品です。

ラストの神戸組へ乗り込む件は何度観ても
観飽きるということはありません。
徳さんから刀を受取り番傘をサッと開く瞬間、
本当にゾクゾクします。鐵さん格好良過ぎです。

演出が過剰でリアリティには欠けるでしょう。
ですが、私のように毎日時代劇を観ている人間
からすれば、あまり気にもなりません。むしろ
美しい過剰さだと思います。
青、黄、赤を背景に華麗な殺陣で魅せてくれ
ます。この色合いは日本的な美意識から来る
もののように感じました。
縦方向から横方向、そして最後は下から撮す
というメリハリ感も映像を引締めます。下から
のアングルはなかなかお目にかかれないでしょう。
切合いが始まる前までの音楽も必聴です。

親の影響で小さい頃から時代劇を観てきました。
幼心に本気で高橋英樹は格好いいと思っていた
んですよねぇ…。この作品の彼には惚れ惚れ
すること請合いです。
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