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質屋のeop421のレビュー・感想・評価

質屋(1964年製作の映画)
4.2
助けたい、役に立ちたいと思う他人にとって自分は何もしてあげられないと知った時の絶望感。そんな感情が画面から伝わってくる、ある意味怖い作品。
家族知人を援助している金の出所が、実はマフィアによる悪行からだと知った時の自分に対する怒り。ナチスに痛みつけられた経験も虚しく、弱い人々を自分も遠回しに搾取しているとは皮肉過ぎです。ロッド・スタイガー演じるナザーマンは観ていて辛くなるほど。後半の流れは悲しいを通り越す辛さです。神も仏も無いとはこのことか、と…。強制収容所での悪夢がフラッシュバックするシーンやドキュメンタリータッチのシーンなど秀逸かと。クインシー・ジョーンズの手掛ける音楽もカッコイイです。
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