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父親たちの星条旗の79のレビュー・感想・評価

父親たちの星条旗(2006年製作の映画)
3.8
硫黄島の戦いを日本側とアメリカ側、双方の視点で描いた作品が「硫黄島からの手紙」とこの作品。
これをみて思ったことは、硫黄島からの手紙をうまくとったな〜って。(笑)イーストウッドがアメリカ人の気持ちで父親たちの星条旗を描くのは分かるところもあると思うけど、日本人のあの戦争に対する気持ち、お国に命を捧げるあの精神、家族を思う気持ち、負けた側の執念…あれをたとえわからなくても、そこを描こうとして描ける簡単なテーマじゃ無いのに、日本人が見ても感動できる作品を撮った監督がすごいと思った!

父親たちの星条旗は戦争が終わって、ある写真が世に出回る。それは勝利が決まった時に、硫黄島に立てたアメリカの国旗を立てている写真。そこに写っていて生き残ったものは「英雄」として国に帰り、国債を買ってもらうためのツアーで働く。
彼らは「本物の英雄は死んだ仲間たち」だと言う。本当にその通りだと思った。英雄、英雄って呼ばれる辛さや大変さが伝わってくる。自分たちは死ぬまいと必死に生きただけ。日本人のように自害することはないし、国のために命を捧げることもない。だが、英雄扱いされて世間から消えれない辛さが描かれていた。

戦争はむごい。命が尽きるのは本当に一瞬の出来事であるんだと、改めて思わされた。「衛生兵 負傷!」って叫ばれて自分の任務を果たす…そこで救われなかった命がたくさんある。でもどんな時でも一生懸命救護にあたった兵は、どこまでも衛生兵として戦った。

クリントイーストウッドがまたうまいですね〜〜。ただただ展開がポンポンポンってあるだけじゃなくて面白い。ラスト5分!!!ラスト5分に泣かされる!!!最後まで心がぎゅーーーーっと掴まれる作品でした
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