月うさぎ

マンマ・ミーア!の月うさぎのレビュー・感想・評価

マンマ・ミーア!(2008年製作の映画)
3.2
ただただハッピーな気分になりたい時(特に中年の方)に最高の映画。
ABBAの曲を使ったミュージカル♪というのは知っていました。
でもとんでもない思い違いをしていました。「ABBAのストーリー」だと思っていたのです。
観始めて、どうやら違うみたいだと気づくものの、娘のソフィーが当然主人公だと思っていました。
それも大間違いでした。なんてこった!

中年オバサンが歌う・踊る・翔びまくる。
欧米って熟女の恋愛を明るく応援するムードが映画の中にいっぱいあってすごいなと思います。
私だってマダマダという女性心が煽られるっていうか。
元気をもらえる映画でありました。

アマンダ・サイフリッド、クリスティーン・バランスキーの歌は素晴らしい。
メリル・ストリープは歌が上手いというよりはさすが女優の表現力。
彼女の The Winner Takes It Allはしびれます。
この曲、ABBAの歌の中で一番好きなんですが、元歌よりも表現力が凄いと思う。
ABBAってキレイに歌いすぎて心が響いてこないんですよね。綺麗なハーモニー重視で、どの曲も割と一本調子。だからディスコソングだったわけで…
そうよそうよ。この歌は敗者の歌なのよ。本来はこうでなくちゃ。と思いました。

しかし、ピアース・ブロスナン。歌下手です。赤面。
歌の上手さはテクニックではないと思いますが、これはいくらなんでも役者が恥をかく気の毒なレベル。人選ミス?なんで吹き替えにしない?といいたくなる程

ロケをメインに撮ったミュージカルという異色の映画となりましたが、
映画に登場する「カロカイリ島」というのは、ギリシャ語で「夏島」という意味で、当然架空の島です。

明るいエーゲ海に浮かぶスコペロス島(Skopelos)とスキアトス島、ミコノス島などが実際のロケ地だそうです。

空撮を多用した青い海、明るい光の映像美に魅了されます。
祝祭的なムードが堪能できます。
演じている役者さんたち、すごく楽しそう。いいな~。
こんな美しい自然の中にいたら心も明るくなるでしょう。私もやってみたい!

結果コメディという設定以上に全体におふざけ映画になっていますね。
ミュージカルの命というべき、ダンスはあまり上手くないというか、
絵になるようにきちんと振り付けている感じがなくて、わざとなのかな?これは。
ダンスの美学はまったく反映されていません。

演技のできる役者が勢ぞろいしていますが
では演技力で勝負なのかというと、そうでもない。
ただ音楽とお祭りムードを楽しむ映画というレベルになってしまっていいのだろうか?
面白かったことは面白かったのですが。

なんか。み~んな、ドラッグでハイになってる図みたいなんですよね…。
B級映画だっていうなら納得いくのですが
「イギリス史上最高のヒット作品」なんですってね。
「え?これが?」って思ってしまいましたが。

アマンダちゃんは声も可愛いし歌もgoodですが、音楽を堪能する映画ではないです。
感動というよりは笑える映画です。
青春映画ではなくて母娘の映画であり、中年の恋愛映画です。
若い娘の将来は…?いいのか?これで?

…と、思った通り、続編が作られましたね
10年も経って。壮年同窓会?
と、思ったら、やはり違って母娘の話しみたいですね。いつかチャンスが有れば。

ABBAのベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが製作者になっていました。ご本人の歌を使っているわけですね。
映画にもちょい顔出ししてました。
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