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ツォツィのlunesのレビュー・感想・評価

ツォツィ(2005年製作の映画)
1.3
南アフリカ共和国は治安が悪いことで有名。
中でもヨハネスブルグは世界一の犯罪都市として、都市伝説的なウワサが出るほど治安が劣悪。
この映画ではそのヨハネスブルグが舞台になっている。
原作の「小説」はもちろん読んでいないのでわからないけれど、「映画」ツォツィに限って言えばいい映画と思えなかった。
不良の青年が子供を拾った事で少しずつ変わっていく。
確かに話は良いなと思うし、段々と変わっていく姿も俳優がうまく演じてたなと思う。

だけど、場所をヨハネスブルグにしなければいけない理由がまったく伝わってこない。
同じ題材をアメリカのスラムや、イラク、アフガニスタンでやったってきっと同じようなものが出来ると思う。
苛烈な歴史をもち、今も尚貧困と犯罪に苦しんでいるような国を傍観者的に見て、そこにコノ手の泣かせるストーリーをくっ付けたような映画にはとてもウンザリする。

経済的にも恵まれていて、治安も良い場所に住んでいる人間が、「ツォツィ」の登場人物たちの不安や悲しみ、怒りをこの程度の描写で理解できる方が不思議だと思う。

積極的な無関心さが目立つ映画だった。
(2009/8/25)
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