“さあショウを始めよう。もう後がない我らのために”
漫画『からくりサーカス』を全巻読破した後で無性に観たくなってしまった本作。
『サンセット大通り』後にセシルBデミル監督が描いた総天然色サーカスドラマ。タイトルから連想するような殺戮ショーとか戦争映画では決してない苦笑
1952年作という事で、ちょっとノイズが残っている分、サーカスシーンが映画を観てるというよりか、もはやライブDVDを観てるような感じ。
荘厳。絢爛豪華。そして元気で陽気。
肝心のストーリーは花形のブランコ乗り美女と雇われブランコスター、そして座長が織りなす三角関係。
美女はどこか出雲の阿国的な、芸と恋の狭間で揺れる心模様が奥ゆかしくて情熱的だし可憐。
カラーになったばかりの50年代映画と思ってぼーっと観ていたら、昨今のハリウッド映画に勝るとも劣らないクライマックスの広がりと爆発力が好きだ。
それこそ漫画『からくりサーカス』でこの部分は引用されているのだが、ノーCGの実写でこれをやりきるって凄まじい。好感度爆裂。
序盤の見せ場のブランコ対決も手に汗握る。どこまでが役者でスタントか、とかそういう冷静さを失うくらいに固唾をのんで魅入ってしまった。
『サンセット通り』の面影を感じさせる不変のメロドラマ性もなんか程よくて良い映画。
映画でもありサーカスショーのリアリティドラマとして鑑賞した気分。
名画です。