U-NEXT、往年の隠れた名作
日本映画特集は続く
黒澤明、1947年作品。戦後まだ2年目に作られた映画。
「酔いどれ天使」や「野良犬」より前、
まだ彼がビックになる前。
いやあ!瑞々しい!
感動しました!
映画って、ちゃんとした人が撮ると、
たとえ、今と異なる時代やお国のことでも
今自宅のパソコンで観ている人たちにも伝わる、共通の感情を生み出してくれる「素晴らしい」ものだということが改めて証明されました!
お話は、日曜日のデート。
2人合わせてわずかしか所持金がない。
何とか少ないお金で楽しもうとするんだけど、
少年野球に飛び入りすれば、店にボールが入ってしまうし、
キャバレーの店主をしている元戦友には会うことを拒まれるし、
安価のクラシックコンサートを聴きに行こうとすると、、、
全てがうまくいかない。
女の子は終始、彼氏を励ますのだが、
彼氏の方は、デートでもついていない自分たちの置かれている状況を嘆き、投げやりになってしまう。
そんな、2人が、、
と、簡単に言えば、2人のデートを追っただけのフィルムなのに、
これほど、心揺さぶられるのか、
当然白黒作品なのだか、影の使い方や照明の当て方なども上手いな、
この2人は、コーヒー代もけちらなければならないほど貧しいのだが
それより貧しい人たちも街にはいて、
だけど、昼間は、往来の真ん中で、野球を楽しむ子どもたちの笑顔があって、
単に2人がデートしてるだけでなのに、
社会と繋がっている、
社会があって、彼らがいる。
だから、個人の話で終わらないんだよね!
この時代、まだ終戦直後、
闇で儲けた、なんてワードも頻繁に出てくる。戦争の惨禍はそのまま生活に残っている。
そんな中で、社会に貧富の差が生まれ始め、それか大きくなり始めている。
真面目に働いても、デート代さえ稼げない人たちも当たり前のようにいて、
そこから搾取しようとする輩も当たり前に現れる。
でも、観ていて、これって、ずっと前だけのお話?って思った。
2人のセリフを現代に置き換えても、通用するんじょないかな、
例えば、非正規雇用やシングルマザーのカップルなど、
セリフ変えないで、現代に置き換えてることだって、十分可能なのが、なんとも
暗澹たる気持ちにさせられる。
オチをどう付けるか、
でも、ラストには、僕も、彼らを精一杯応援したくなった。
本当に素晴らしいカップルだ。