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死の追跡のHKのレビュー・感想・評価

死の追跡(1973年製作の映画)
3.7
アマプラ100円レンタルでみつけた拾いモノ。
原題は“The Deadly Trackers”
もとはサミュエル・フラー脚本・監督の“Riata”という作品のはずが途中で撮影中止、主演のリチャード・ハリスの他は監督・キャスト総入替で完成したといういわくつきの作品。

西部劇によくある復讐物ながら、原案がフラーですから一筋縄ではいかない展開。
銃を発砲することなく無法者を捕らえる名物保安官キルパトリック(ハリス)は、その無血主義が仇となり、ある4人組の賊に妻子を惨殺されます。
人が変わり復讐の鬼と化した保安官は、ついに権限の及ばぬメキシコまで賊を追いかけ・・・

ハリスは『許されざる者』の“イングリッシュ・ボブ”を想わせるアイルランド出身の保安官。
意外にも極悪非道の賊のリーダーはロッド・テイラー(『鳥』『大列車強盗』)という配役。
その手下に、鉄の義手を持つネヴィル・ブランド(『マッドボンバー』『悪魔の沼』)。
頭の弱い凶暴な筋肉男には先日観たばかりのクローネンバーグ作品『ファイヤー・ボール』の主役だったウィリアム・スミス。

クレジットでアル・レッティエリ(『ゲッタウェイ』『マジェスティック』)を見かけたので、てっきり賊の一人かと思ったら、なんとメキシコの正義の保安官。あの人相で(←失礼)。
あるときはハリスと敵対し、またあるときは共闘したりと準主役級の活躍で、本作はもはやレッティエリの代表作の1本と言ってよさそう。

そして娼婦役の女性も見覚えがと思ったら、『ガルシアの首』のエリータことイセラ・ベガ。

で、音楽がなんか『ワイルド・バンチ』に似てる・・・というか似すぎ・・・というか同じ曲?
不思議に思って調べると、他の映画から音楽を流用したと書いてあってビックリ!
パクっちゃダメでしょ! しかもパクリ元がメジャーすぎ。
ジェリー・フィールディングはいくらもらったんでしょうか。

劇中であのネヴィル・ブランドがあきれるくらい残忍なロッド・テイラーや、その策略にまんまと引っ掛かり満身創痍のリチャード・ハリスや意外にインテリ風のアル・レッティエリなど各キャラを見ているだけで飽きることなく、後半はさらに意外な展開に。
しかし・・・ラストが・・・ちょっと・・・う~ん、なんだかもったいない・・・でも面白かった。
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