2015年「マッドマックス怒りのデスロード」…
劇場で4～5回目の鑑賞…もう上映終了間近の平日の深夜回…客もまばらになっていた。
上映が終わり館内の照明が戻るとおれの並びの少し離れた席に座っていた白髪混じりのおっさんと目があった。
ガタイが良くてライダーズの革ジャンとブーツ…たぶん映画館の前にはおっさんのカワサキかなんかが停まっているのだろう。
おれと目を合わせたおっさんはニッっと笑って手を伸ばしてきた。
おれもすぐに察して手を伸ばすと腕相撲するときのような握手をした。
「すげぇな」
「ほんとに」
短い言葉を交わしてから別れると別々に映画館を出た。
おれの車からはおっさんのバイクを見ることは出来なかった。
おっさんも間違いなく35年前のこの「マッド・マックス２」に熱狂した口だろう…おれと同じように。
35年前にマッドマックスシリーズの洗礼を受けたおれたち世代は新作の「デス・ロード」を観て心底驚いたのだ。
マッドマックス２を撮ったときは36歳だったジョージ・ミラー監督はすでに70を越えているはずだ。エポックメイキングだったこの映画をベースにしてさらにパワーアップした「怒りのデス・ロード」の凄さはこの「マッドマックス２」の凄さをリアルタイムで知っているおれたちにこそ…よくわかったのだ…
そして35年…確実に歳をとったおれたちは70歳の新作を観せられて人生観が変わるくらいの喜びを与えてもらった。
おれたちもまだまだ行けるだろう？そんな気にさせられた。
あのおっさんもそんな気持ちになって思わず見も知らぬおれと握手してしまったんだろうな😁💦
今、こうして35年前の原型を見直しても客観的に見ることが出来ない💦古さなんて当然感じない…素晴らしい面白さ！
「ガタガタ言うな…」
若きメルギブは両手で自分を指し示すような動きをして…
パパガロたちを見渡すようにして言った。
「ドライバーは…俺だ」
