蟻子

アイデンティティーの蟻子のレビュー・感想・評価

アイデンティティー(2003年製作の映画)
3.9
テンポよく巻き起こる展開に引き込まれてあっという間の90分。めちゃくちゃ面白かったー!!
どんでん返し系のオススメ映画ということで、なるほど確かにこれは誰かに薦めたくなる傑作。

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大雨の中のモーテルに偶然集まった11人に、次々と巻き起こる殺人事件。逃げ出した護送中の囚人。殺された人のもとにはルームキーが置かれており、その数字は10、9、8…とカウントダウンされていく。。
もう設定が最高に楽しいです。日本の密室系殺人事件だと橋が落ちて電話線切られて孤立した洋館が多いイメージ持ってるけど(コナンの影響かな?)、雨で道路が遮断されて西へも東へも進めなくなったモーテルっていう舞台がアメリカらしさ満々でめっちゃワクワクする!!

最後の最後まで楽しめるので、未視聴の方には全力でオススメします。
というか今後「どんでん返し系の映画でなんかオススメ知らない?」と聞かれたらこれ答えようと思う。機会があるかはわからないけど、手頃な長さだし勧めやすいしね。


というわけでこの先は重大なネタバレを含みます。



連続殺人事件のストーリーにしては、なんでタイトルが『アイデンティティ』でどう絡んでくるんだろう??と思いながら見ていましたが、なるほどそういうことかーーー!と。例の死刑囚はどこで出てくるんだ?と思っていたけど、みんなソイツの頭の中にいた人物とは!全く思いつきませんでした!!!
トイレの配管から逃げ出した護送中の囚人は小物っぽかったし付き添いの警官は怪しいところだらけだったのでそこはすぐに気付いたけど、この設定にはまんまとやられたーー!面白い!!

死体と血痕などの痕跡が跡形もなくが消えたあたりから、おや…?
全員の誕生日が同じ…?!これ現実じゃないな?!何事だ…!?と種明かしされていくあたりがめっちゃゾワゾワしました。

先住民の墓地だとかでオカルト方面のミスリードなども含みつつ、やっぱり多重人格というテーマに着地するのね。

そしてこのままハッピーエンドな訳ないぞ、と少しの違和感を持って迎えるラスト….
そういえばなんで1人ずつカウントダウンされてたのに、車の爆発は一気に2人消えたのかな…あんなに克明にカウントダウンされてたのに、途中でルームキー出てこなくなったのもやっぱりおかしいような…

ってやっぱりお前かーーーい!

そうだよね、売春婦だった母親を恨んでたって言ってたもんね、同じような女を特別殺したかったんだね…。

などと、大変楽しめました。

元人格の死刑囚が冷凍庫で眠っていた男だって夫に言われるまで気付かなかったので、あとで見直さなくては。。。


死刑執行の前日〜だとか、裁判官たちが夜通し付き合って見守ってるって設定はなんかちょっとやりすぎ?と思ったりもしましたし、殺し合わせて人格の統合ってそんなこと出来るの?と疑問を感じたりしましたが、まぁそんなこと気にならないくらい面白かったし、新しいなぁと感じました。


まだまだ知らない面白い映画がたくさんあることに喜びを感じております。
もっとたくさん色んな作品を見ようと決意を新たにしたのでした。
蟻子

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