蟻子

望みの蟻子のレビュー・感想・評価

望み(2020年製作の映画)
3.6
地獄の2択を強いられる設定のため激重映画なのかなと覚悟を持って視聴しましたが、どんな結末であれ地獄のはずがなんだか綺麗にまとまっており、これで良かったような、良くなかったような…なんだかモヤっと…。

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たくさん入力したのにアプリが落ちて文章全部消えてガン萎えしております…
それはさておき。



行方不明の息子。殺人犯としてでもいいから生きて帰ってきてほしいと望むのか、命は無いとしても真っ直ぐ育ってきた自分の息子が殺人など侵すわけがないと信じ抜くのか。。

親としてどちらを望むのが正しいのかという議題には正解がないと思うのですが、自分だったらたぶん後者かなと。

息子を信じるというのももちろんだが本音を言えば、娘もいるわけだし自分たちもこの先まだ生きていかなくてはいけないわけだし、殺人犯の家族として生きていくのは辛すぎる。自分が知らなかった、殺人を犯す程の息子の隠れた一面や事情、この先の人生すべてを受け入れ、支えていく覚悟もキャパシティも自分にあるのか、自信が持てない…。
まぁ実際直面してみないとわからないことではあるが…

そう思うのは悪い親なのだろうか?

どちらの未来の方が、望みがあるのだろうか。



ネタバレになりそうなので未視聴の方はこの先の閲覧を控えていただくとして、



最後に石田ゆり子が言っていたが、息子が帰ってきたとしても現実に『押しつぶされてしまっていただろう』というのがまさにそれだと思う。
ただ、それで『だから息子に助けられた』といい話風にして終わらせてしまうのは…。

息子は信じていたままの、優しくてしっかり者の息子でした。良かったね、

というこの終わり方も、なんだかなぁ…。じゃあどういう結末を望んだんだよといわれればこれでよかったのだろうが、なんだか綺麗に事態が収まりすぎてしまって。

特に玄関や車にあった落書きが綺麗さっぱり消えて、清々しい終わり方を迎えていることにすごく違和感があった。

(ただ竜雷太の土下座というか、あの一連のやりとりはすごく良かった。誰も恨めない、仕方ない、やるせない…。)


警察が言っていた
『心の優しい子ほど、両親に心配をかけまいとする。
しっかりした子ほど、問題を自分で解決しようとする。』
という言葉は、子を持つ身として胸に刻んでおこうと思う。
蟻子

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