Ricola

25日・最初の日のRicolaのレビュー・感想・評価

25日・最初の日(1968年製作の映画)
3.5
ロシア革命の「最初の日」を題材にした作品。
怒りに満ちた民衆、逃げ隠れする支配階級の者たち。そんな彼らの思いがストレートかつ力強く表出されると同時に、アートとして昇華もされている。


切り絵のような街並みや人。少し透けたそれらが幾重にも重なり合うことで、重々しさと深刻さが演出されている。
さらにときにビル群の街がしわくちゃの紙へと化す。その隙間に権力者たちは隠れたり覗いたりして様子をうかがっている。

真っ赤なシルエットは蜂起する人々の形であるが、メラメラと揺れ動く炎のようにも見える。
モノクロで形成された街や権力者たちに対して、彼らは赤く素早く動いている。
切り絵のような人々や軍隊は、街に溶け込むことなく、文字通り上に「乗っかっている」。

実際の映像や音声の挿入も合わさって、民衆の熱がさらにリアルなものとして受け取ることができる。
ロシア革命とはどういうものだったのかを、皮肉を交えつつ抽象的なようで具体的な表現のおかげで、予備知識なしでもそれが読み取れるものであると思う。
Ricola

Ricola