イチロヲ

スヌーピーの大冒険のイチロヲのレビュー・感想・評価

スヌーピーの大冒険(1972年製作の映画)
4.5
療養所生活を送っている孤独な少女から手紙を受け取ったスヌーピーが、周囲に理由も付けず、長旅へと出立する。チャールズ・M・シュルツ著「ピーナッツ」の劇場用長編映画第2弾。ディズニー映画で有名なシャーマン兄弟が音楽を担当している。

子犬時代のスヌーピーを引き取ってくれた元飼い主、ライラのエピソードを採用。どこに行っても「犬禁止」のルールが敷かれており、鬱屈した感情に支配されたスヌーピーが、一通の手紙に光明を見いだす。いわゆる、自分の居場所を再確認していくパターン。

「スヌーピーが家出したのは自分のせいだ」と思い込み、胃をキリキリと痛めるところが、いかにもチャーリーらしい。憂えたペパーミント・パティが遊園地デートに誘うシーンは、何故だか涙がこみ上げてくる。

製作当時、原作者シュルツは不満足な夫婦生活に喘いでおり、公開時には別居状態へと移ってしまう。製作者の意図はともかくとして、スヌーピーとウッドストックをフラワーチルドレンに見立てて、ヒッピー映画のつもりで鑑賞すると趣が増す。
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