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ほら男爵の冒険のarchのレビュー・感想・評価

ほら男爵の冒険(1961年製作の映画)
3.9
チェコのアニメーション監督であるカレル・ゼマンによるほらふき男爵。

ほらふき男爵はミュンヒハウゼン伯爵な虚実入りまじる冒険譚に基づいたお話で、テリーギリアム作品の中でも個人的にお気に入りの『バロン』なんかでも題材とされている。『バロン』とは大きく異なる視点で描かれていて、多くの要素が断片的に一致しながらも全く別の話で、どちらが原型に近いのかも定かではない。(明らかなピノキオ展開は原作通りなのか気になる)
ただカレル・ゼマン作品は現代においては作為的にも映る実写とアニメーション(SFX)の融合の愉快さにこそ魅力があり、話なんてものはどうでも良い。お気に入りは喫煙による煙で船を隠そうとするところで、船員総ヤニカスで笑ってしまった。
他にもフラッシュ演出も冴え渡り、省略と抽象の見事な使い用で、独自のファンタジー世界を作り出していた。
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