"大海に出る前の青々さ"
ベティブルーの監督か!というのが先行し過ぎてしまったためか、なんだか本作がそのための布石、準備作のような印象で最後まで観てしまった。
地下鉄のバイク爆走シーンの爆発力は好きだし、ベトナム系の女の子もエキゾチックでいい感じだし、主人公の部屋のアート感も良かった。
ひとしきり視覚に問いかける映画技術は良かった気がする。
肝心の主人公とヒロインの黒人女性歌手にどうも感情移入し切れなかった。
それと音源の取り違いがそこまでシナリオ的に多層性を出してるかというとちょっと疑問で、何だか核のストーリーが分離してるような印象を受けて、
自分にはあまり効果的な小道具、仕掛けとは感じられなかった。
ラストもそこまでドラマティックな旋律には至ってなかったように思う。
美術は良いけど、ストーリーが頭に入ってこない映画だった。
雑な感想を敢えて言うと、キャラとロケーションの統一感からベティブルーの方が二枚上。
そんな印象でした。