みかぽん

コンドルのみかぽんのレビュー・感想・評価

コンドル(1975年製作の映画)
3.9
知らないうちに大きな陰謀に自分が絡み、そのために当たり前の日常が消されてしまう。
得体の知れない暗殺者から逃亡を続け、その真相を突き止めて行くCIA末端組織の「読み屋」に所属していた、コードネーム・コンドルの三日間。

当時、齢38のロバート・レッドフォード、共演のフェイ・ダナウェイは多分、本人史上最高に美しい時期だったのではないかと思う(みかぽん調べ)。なので当時の私は彼等とそのファッションにすっかり魅了され、念願のPコートに至っては結構大人になってから、しかもかなり厳選して手に入れた記憶がある…😅。
主人公のジョー(RR)がキャシー(FD)の撮ったモノクロ写真を、秋の終わりと冬の狭間にある11月と言い当て(これが彼女との距離を一気に縮めるのだけど)その空虚で物悲しさを含ませたジョーのクールな言い回しにひたすら痺れ、暫くはこれを真似して「私の好きな季節は11月…」などと遠い目線でのたまっておりました…(正直に告白)。←バカ💧(なんで当時〝私は11月が好き〟なんて気取ってたかなんて今日までそっくり抜けていたけど、理由はこれか…と思い出し、今更、激しく赤面中 ♨️)。

またこの作品、クリスマスが近づく冬のニューヨークの風景も素敵でして。
屋根に一列並びの茶色い小さな煙突がパリを実感させるように、マンホールの隙間から白い蒸気がもうもうと上がる風景は、まさしく真冬のN.Y。
物語はボーンアイデンティティーからスノーデンへ移行するのだけど、ジョーは後ろ盾を持たぬまま、しかもこのままアメリカで生きて行くことを選んだ。
救世軍が歌う賛美歌、『God Rest Ye Merry, Gentlemen』を背にして消えて行く姿に、思わず「どうか彼に神のご加護を… 」の願いを込めてしまうラスト。

追伸)本作のロケーション情報😁
https://www.movie-locations.com/movies/t/Three-Days-Of-The-Condor.php
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