きゅうげん

ドラキュラのきゅうげんのレビュー・感想・評価

ドラキュラ(1979年製作の映画)
3.4
ローレンス・オリヴィエ
 &
ドナルド・プレザンス
 vs
フランク・ランジェラ
1978年にトニー賞を受賞したブロードウェイ版『ドラキュラ』の映画化。この舞台は絵本作家エドワード・ゴーリーがプログラムやポスターを手がけたことでも有名です。昨年のゴーリー展での紹介が記憶に新しいところ。


脚本は原作の序盤と終盤を削ぎ落とした形で、物語はみんな大好きデメテル号の章からスタート。
ミナがヴァン・ヘルシング博士の娘だったり、ルーシーがセワード博士の娘だったり、ジョナサンの婚約相手がミナでなくルーシーだったり、人物関係もかなり整頓されています。

(……しかしドラキュラの運命の人がミナじゃないの、すっごく違和感……。
ロミオと言ったらジュリエット、安珍と言ったら清姫、ドラキュラと言ったらミナって相場が決まってるの! 『こころ』とか『嵐が丘』なんかに比肩する“三角関係”小説なのが、『吸血鬼ドラキュラ』の魅力なんですよ……!)
……というのは置いといても、音楽はジョン・ウィリアムズだし、ガラスのマットペインティング一枚絵は素晴らしいし、意外と憎めない魅力のある吸血鬼映画です。
ちゃんと真面目にあのコスチュームずっと着てますしね!


ところでアマゾンプライム配信版。
これ過去の地上波放送ぶっこ抜き状態なんですけど……、権利だいじょうぶ???
吹替が富田耕生さんとか津嘉山正種さんとかっぽく、ウィキペディア掲載の放送履歴を鑑みるに、たぶん1982年8月1日放送の日曜洋画劇場……? でも……なんでそんなのが配信に???
CM前とか人物紹介とかの字幕スーパーそのまんま、遥か昔の録画を観てる気分で不思議な体験になりました。
なんかアマプラって、時々こういう「権利だいじょうぶ???」案件あってドキドキするんですよね。