さすらいの旅人

007/私を愛したスパイのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

007/私を愛したスパイ(1977年製作の映画)
3.8
ユニオンジャックのパラシュートは007の証。BS/WOWOWシネマ録画鑑賞。

久しぶりに再鑑賞。シリーズ10作目。
本作はシリーズ全作品を観てるが面白さではマイベスト5に入る。
まず、場面は陸海空のすべてを網羅し、過去のシリーズや他の映画のオマージュをタップリと投入している超娯楽作だ。

過去シリーズでは海中アクションとして「サンダボール作戦」、スキーアクションとして「女王陛下の007」等てんこ盛り。他映画としてはエジプトの砂漠でのシーンで、何と「アラビアのロレンス」の名曲がそのまま流れるなどのサービスぶりである。悪役の名前も当時ヒットした映画の「ジョーズ」と同名。映画ファンとしてはニンマリでニタニタでした。

あと珍しいのは水陸両用ロータス車だ。曲がりくねった道でのヘリコプターとの銃撃追跡アクションの後、車は海の中へ突入。海水浴場から出てくるシーンは意外性があり笑える。

007と言えば華麗な音楽でも有名。初期の頃は故ジョン・バリーが主であったが、今作は音楽がマービン・ハムリッシュで主題歌はカーリー・サイモン。いずれもアカデミー賞にノミネートされた名曲である。当時としてはお洒落な組み合わせだ。

故ロジャームーアのシリーズはコメディータッチが多いが、スパイ映画としての暗さがないのが良い。コロナ禍で延期されているシリーズ最新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」の公開が待ち遠しい。