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ロッキー4/炎の友情のシネラーのレビュー・感想・評価

ロッキー4/炎の友情(1985年製作の映画)
3.5
シリーズ第4作であり、
アメリカとソ連の東西ボクサー対決が
描かれる本作を再鑑賞。
薄い人物描写と音楽の多用に疑問はあるが、
少年漫画のような王道展開に
燃えるものを感じる映画だ。

ソ連から来日したドラゴとアポロの
エキシビションマッチが行われるも、
ドラゴの猛打によってアポロが命を落とし、
ロッキーがドラゴに挑む内容となっている。
その敵討ち的な王道展開に加え、
ソ連の最新技術を駆使するドラゴと
雪山でトレーニングを積むロッキー
の対比は胸熱な要素だった。
機械的なドラゴではあるが、
最終的に試合の最中で人間性が
垣間見えてロッキーとの打ち合いに
応じるのも良かった。
結末でのロッキーのスピーチも
当時の冷戦末期の情勢が感じられるが、
戦争批判を積めたメッセージとして
ロッキー(スタローン)らしい
メッセージだと思った。

不満点としては、
娯楽性を出すかのように
ポーリーへの誕生日プレゼントで
登場するロボットに関してだ。
真面目な会話劇の中で、
ロボットが割り込む場面もあるだけに
邪魔な存在だと思った。
又、多くの楽曲が使用されるが、
結果としてミュージック・ビデオな
印象が強くなっており、
楽曲そのものは「Burning Heart」
をはじめとして好きだが、
映画としては多過ぎると思った。
加えて、本来ならロッキーやアポロに
ドラゴの心境を描写すべきところを、
特に深掘りもしない事での
人間ドラマの薄さは否めなかった。

娯楽性を特化させた面白味ある
作品だと思うが、
人間ドラマも薄くなってしまっている
一長一短な映画だと思った。
昨年に本作を再編集した
『ロッキーVSドラゴ ROCKY Ⅳ』を
劇場鑑賞しているが、
そちらの方が人物描写も増えた上に
不要なロボットの場面が削除されている為、
"ロッキー4"としてはそちらが好きだ。
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