とぅん

母なる証明のとぅんのネタバレレビュー・内容・結末

母なる証明(2009年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

「殺人の追憶」という超名作を生み落としたポン・ジュノ監督作。
やはり「殺人の追憶」は越えられないものの、超一級のサスペンス映画に仕上がっています。

おばちゃんの1人ダンスで幕を開け、不穏なカットが多数の序盤はサスペンスのお膳立てがしっかりしている。
過保護の母親が自力での捜査に乗り出す中盤からは、前代未聞のおばちゃんハードボイルドと化して、これまた大好きな展開で。
息子の犯行を目撃したオッサンを手にかけてからの終盤は、韓国映画のお家芸とも言える何とも言えない気持ちになる。

特に息子が廃品回収業のオッサンちの焼け跡で拾った母親の鍼セットを渡してから、
母親がバスで自分の「記憶が消えるツボ」に鍼を刺して、中年達の狂乱に混ざっていくラストは、すごいラストシーンだなと。
映画の最初と最後のダンスは全く意味合いが違って面白い。

ウォンビンのイケメンを完全に消し去って、何をしでかすかわからない演技も凄かったけど、
母親を演じたキム・へジャの怪演は凄まじいの一言。この人の演技に引っ張られているなと思った。
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