知的障害をもつ息子が殺人事件の犯人として逮捕された。
母親は息子の無実を証明するために事件真相を解き明かす捜査を独自で始めるが……。それは愛か?はたまた狂気か?
全て見終わると、冒頭の謎のダンスシーンがとても印象的に感じます。
母親の厳しい表情で踊っているその場面が狂気じみている。ラストまで見たらその意味もわかるという仕掛け。宣戦布告された気分。
母親像というのは聖なるイメージが付き物だと個人的に思っているのですが、必ずしもそうとは限らない。
愛は全ての人を幸せにできるわけではない。
犯人の正体が暴かれた時……ショックで思わず胸を押さえてしまいました。
その後の展開もかなり胸糞るくて胃もたれしそう……
終盤とある場面で母親が流した涙の意味を調べたらさらに絶望的な気持ちになりました。
母の愛というものをこんなアプローチで描いたなんて……
ポン・ジュノ監督すごい、と思いました。
またジメジメとした映像が、母親の愛の"粘り気"と合わさって全体的に重い雰囲気を出していますね。(性的なシーンもやっぱりじっとり……)
母親は聖母という側面だけを持っているわけではない。人間には変わりないのだからと、心打たれる作品でした。