むぅば

エデンの東のむぅばのレビュー・感想・評価

エデンの東(1954年製作の映画)
4.0
聖書の「カインとアベル」が元になった映画。

カインとアベルはアダムとイヴの子供たちで、人類史上初めておきた殺人ということで有名ですね✨

主人公キャルはただ、ひたすらに父親の愛を欲した。
しかし、父親(アダム)はキャルの兄の方にその愛を与え続ける。

キャルは父親の愛を得るために事業を起こしたりして努力します。
しかしそれが報われることはなかった。

父親と兄は聖人と見紛うほど、善良な人間であり、悪女である母親の血を多く引き継いだキャルとはその人間性に隔たりがありました。
少なくともキャル自身はそう思っていました。

兄弟がいるとどうしても親からの愛の格差を感じてしまうものかもしれません。
私も似たような思いをしながら育ち、(多分妹もそう思っていたかもしれません)
キャルの気持ちに同感できるというものです。

愛は平等に与えるべきものでしょうが、それが難しい。

親から与えられる愛は、その人にとって最初に与えられるものであって、その後の人生に大きく関わっていくものだと思います。

キャルは肩身の狭い人生だったでしょう。
それゆえにラストの父親との会話が心に刺さる。感動する。

正直カインとアベルのように殺人事件が起きるのかな、と身構えていましたが、それとはまた違った形で兄はキャルの元から去ります(結果的に似たようなことになっているかもしれませんが……)

スローペースな流れに感じましたが、じっくり腰を据えてみたい映画でした。
むぅば

むぅば