NAO141

スターシップ・トゥルーパーズのNAO141のレビュー・感想・評価

3.8
ポール・ヴァーホーヴェン監督作品。
この監督、『ロボコップ』や『トータル・リコール』などで有名であるが、〈下品・暴力的・グロテスク・バカバカしい〉といった類いの作品を製作することでもかなり有名(?)な方である笑。本作もそれらの要素を持った作品ではあるが、なかなかに面白い。ただ、好き嫌いはハッキリ分かれる作品ではあると思う。昆虫嫌いな人は無理…かも笑。

本作、興行面では1億ドル以上の巨費を投じて製作されたものの、その半分程の興行収入となり、〈失敗作〉と位置付けられることもあるが、現在もファンの間で熱烈な支持を受けている作品である。実はシリーズ化もされている。かのクエンティン・タランティーノ監督も本作の大ファンで、本作の上映会を開催したほどだという(さすがタランティーノ笑)。

作品の舞台は唯一軍歴の有無だけが『市民』と『一般人』という階級を分ける軍国主義の未来社会。人類はアラクニドと呼ばれる昆虫型の宇宙生物と戦争へ突入していく。戦争の始まった理由は描かれず、終始地球側の情報や価値観で語られる物語。また本作は全編を通して(作品の途中に)戦意高揚のための疑似CMが流れるのが特徴。そもそも本作はナチス・ドイツの映画『意思の勝利』のパロディであり、普通に観るとちょっと残酷かつグロテスクなバトルエンターテイメント作品に見えるが、実は過度な軍国主義を皮肉った作品(プロパガンダの否定)であることがわかる。

監督が強烈で笑、作品の内容も好き嫌いが分かれてしまうかもしれないが、面白いことは間違いない!食わず嫌いにならず、1回は観てほしい作品である。
※ラストに出てくる昆虫軍団の親玉のようなブヨブヨで複眼の昆虫(芋虫?)がとにかく……キモい笑。
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