われわれは信じていたを配信している動画配信サービス

『われわれは信じていた』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

われわれは信じていた
動画配信は2024年4月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

われわれは信じていたが配信されているサービス一覧

『われわれは信じていた』が配信されているサービスは見つかりませんでした。

われわれは信じていたが配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
クランクイン!ビデオ
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
スターチャンネルEX
みるアジア
WOWOWオンデマンド

『われわれは信じていた』に投稿された感想・評価

マグロ

マグロの感想・評価

3.7
ジュゼッペ・マッツィーニのイタリア統一運動(リソルジメント)に従事した3人の男の群像劇。
全4部構成。

リソルジメントの主要勢力はエマヌエーレ2世とカヴールのサルデーニャ王国、ガリバルディの赤シャツ軍、マッツィーニの青年イタリアとあるが、世界史を学んでいた頃は正直マッツィーニ全然役に立ってないやんけ!と思っていた。

青年イタリアの功績がわかるのでないかと期待してたが、やっぱりあんま役に立ってないやんけ!!という感想。
まあ、そういう運動をしたこと自体が大切なのでってことで……。

1,選択
イタリア南部のチレント地方出身の3人の若者が青年イタリアに加わった。貴族出身のアンジェロ、ドメニコ、農民出身のサルヴァトーレ。
アンジェロとサルヴァトーレはブルボン朝の要人を暗殺しようとするが失敗。
サルヴァトーレは帰郷し人生をやり直そうとするが、アンジェロは彼を裏切り者だとして殺害する。
「貴族は農民から油を奪っている」というサルヴァトーレと父親のやりとりが印象的。

2,ドメニコ
ガリバルディの義勇軍に参加したドメニコはブルボン朝に捕まり仲間と共に投獄される。
刑務所内で国事犯たちは論議を交わすが、ほとんどが王政派。共和政を望むドメニコは孤立ぎみに。
教育を受けてないために政治のことはさっぱりな農民たちとそれをナチュラルに下に見る貴族たちの構図が秀逸。

3,アンジェロ
一向に進まない統一運動に業を煮やしたアンジェロはオルシーニのナポレオン3世暗殺計画に協力することに。
決行当日アンジェロは警察に見つかり尋問にかけられる。暗殺計画は失敗に終わり、アンジェロとオルシーニはギロチンで処刑される。
結局殴られただけで全部ゲロっちゃうショボすぎるアンジェロが好き。

4,国家の夜明け
サルデーニャ王国による一応のイタリア統一が成された後、ひとり生き残ったドメニコはチレントに帰郷する。とっくの昔に家は没落していた。
彼はひとりの志高い若者に出会うが、彼こそは同志サルヴァトーレの息子であった。
ガリバルディはサルデーニャの中途半端な統一に不満を持ち、教皇領を獲得するため赤シャツ軍を組織。ドメニコとサルヴァトーレの息子も軍に加わる。
行軍の最中、赤シャツ軍はそれを良しとしないサルデーニャ軍によって弾圧される。
脱走兵だったサルヴァトーレの息子は処刑、ドメニコは再び一人となる。

ラストでようやく回収される「われわれ信じていた」が切ない。
Omizu

Omizuの感想・評価

3.7
【第67回ヴェネツィア映画祭 コンペティション部門出品】
『ノスタルジア』マリオ・マルトーネ監督作品。ヴェネツィア映画祭コンペに出品され、ダヴィッド・デ・ドナテッロ賞では作品賞他全7部門を独占した。

イタリア統一の英雄の1人、ジュゼッペ・マッツィーニの運動に命を捧げたイタリア南部の3人の男たちによる4つのエピソードを通して、統一運動の知られざる歩みを紐解いていく。

マリオ・マルトーネ監督の詩的な演出はなかなか好き。『カプリ島のレボリューション』も『ノスタルジア』もかなり気に入っている。

それらの作風とは異なり、イタリア統一という壮大なテーマを3時間弱にわたって描いていく本作はかなりの力作。ダレることなく3人の視点からしっかりと物語を紡いでいく。

とはいえイタリア統一に関する最低限の知識は必須。僕もそんなに詳しいわけではないので何が何だか分からないところも多かった。

それでもある程度誰が何の目的で何をしようとしているかは分かった。トニ・セルヴィッロを始めとしたキャスト陣の熱演も素晴らしい。何より当時の風俗を再現した美術や衣装もお金がかかっていて圧倒される。

マルトーネ監督らしい詩的な演出のおかげもあり、飽きずに最後まで観ることが出来た。イタリア人ならこれだけの力作に胸を打たれることだろう。日本人の僕としてはこれくらいだけど、この題材を骨太に描いているのは評価すべきだろう。
シチリア祭り番外編

ロッセリーニの『イタリア万歳 Viva l'Italia』(1961)を見て、これも見直さなければと、積読状態だったイタリア版DVDをセット。イタリア統一150周年記念作品。

物語は4話構成で、1828年のチレント蜂起の直後から始まり、1962年のアスプロモンテの変までを描く。

第一話は「選択 Le scelte 」

チレント蜂起の直後、ブロボン朝の警察に処刑された共和主義者たち(Filadelfi)の夢を追うことを決意した3人の若者がいた。農民の息子サルヴァトーレと、裕福なドメニコとアンジェロだ。ドメニコとアンジェロの2人は、ミラノの貴族でイタリア独立運動を支援していたクリスティーナ・ディ・ベルジョイオーソのサロンに通う。

このクリスティーナを演じるフランチェスカ・イナウディは『トリノ、24時からの恋人たち』(2004)でデビューしたときのことを覚えているけど、この映画でも最高の存在感を示してくれている。

クリスティーナの支援を得て、アンジェロとサルヴァトーレは青年イタリア党のマッツィーニのもとへ向かう。演じるのはトニー・セルヴィッロ。雰囲気はちょっと違うが、理想に燃え狂信的な革命家の依代となって説得力がある。

アンジェロとサルヴァトーレは、青年イタリア党を強烈に弾圧したカルロ・アルベルトの暗殺を計画するが未遂に終わり、クリスティーナからも苦い別れを告げられたアンジェロは、故郷に帰って平凡な暮らしを築き始めていたサルヴァトーレを、暗殺計画を裏切ったとして殺害してしまう。

第2話は「ドメニコ」

1849年の2月から6月までのあいだ成立したローマ共和国に参加するが、フランス軍に奪い返される。ドメニコ(ここからはルイージ・ロ・カッショが演じて秀逸)は、この共和国に参加し逮捕されて、モンテフスコのブルボン朝の刑務所に収監される。刑務所では皆が同じ場所に入れられ、政治犯たちは王政派と共和派とに対立し、無学の者らがそれを見守るという状況。リソルジメントの理念のぶつかり合いだ。ここでドメニコは、のちに統一イタリア議会の代議士となるシジスモンド・カストロメディアーノ(1811 – 1895)と知り合う。

第3話「アンジェロ」
アンジェロとフェリーチェ・オルシーニ(1819 - 1858)との出会い。ナポレオン3世暗殺未遂事件(1958)。そしてギロチン台へ。アンジェロの処刑を遠くに見守るドメニコの姿。

第4話「ネイションの夜明け」

それから数年後のイタリアは統一されていた。ドメニコは、ガリバルディの第2次遠征(1962)に参加しようとして、故郷のチレントに立ち寄る。自分が革命家であったことで、彼の家はすっかり落ちぶれてしまい、妹は家政婦として働きに出て、母親はもう10年ちかく口を聞いていないことを、神父になった弟から聞く。そんな家を後して、さらに南下してカラブリアに向かうドメニコは、若い義勇兵サヴェーリオと知り合うのだが、彼が同士のアンジェロに殺されたサルヴァトーレの息子であり、そのために故郷を捨てなければならなかった話を聞いて蒼白となる。

美しく感動的なのは、そんなふたりが、ローマの解放を目指すガリバルディの第二次遠征隊と合流するシーン。焚き火を囲み、余興で盛り上がると、丘の上にガリバルディが姿をみせる。立ち上がるガリバルディを讃える歌声。美しすぎて、おもわず涙してしまう。なぜなら、そこはアスプロモンテ。行軍を続ける赤シャツ隊を、統一イタリアの正規軍は待ち伏せを受け、浴びせられる銃弾のなかで散り散りとなる。

ドメニコとサヴェーリオたちは、なんとか逃げようとするのだが、まわりをピエモンテの正規軍に囲まれ、降伏するしかない。全員が身分を調べられ、脱走兵はただちに銃殺だという指令がくだる。なんとサヴォーリオは脱走兵だったのだ。ドメニコの叫び声の中、その場で銃殺刑が執行される。

このシーン、ヴィスコンティの『山猫』では銃声しか聞かれなかった。それをマリオ・マルトーネは、非情なリアリズムで描き出す。ガリバルディとともに、イタリアによるイタリアの独立を夢見た者たちの思いが肉体もろとも、同じイタリアの手によって打ち砕かれる瞬間だ。

ラストシーンは、トリノのイタリア議会。そこを訪ねたドメニコのモノローグは、イタリア統一の戦いのなかで取り残されたものたちを思い出しながら、こう締めくくる。「われら、なんと甘美な響き、われらは信じていた」....