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扉の陰の秘密のnagashingのレビュー・感想・評価

扉の陰の秘密(1948年製作の映画)
3.0
サイコスリラーのお約束がてんこもり。説明過多の部分と説明不足の部分、予定調和的に明かされる真実とたんなる雰囲気づくりで終わってしまった諸要素がモザイク状をなしており、非常にモヤる。秘密の部屋に侵入するシーンの照明や、森のシーンの過剰にたきまくったスモークなどはまあまあよかったが、期待値を上まわる悪夢的イメージは見られず。ヒッチコックのあれやこれ以上に、いちばん似ていると思ったのは『ハウルの動く城』。扉の奥に隠された夫のマザコン的なトラウマを、妻が探って解放する。主役は女だが実質的には男の話に横すべり。終盤でモノローグの担当がバトンタッチするのはその証左。
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