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さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌のgcpのレビュー・感想・評価

4.0
以前とあるシネフィルの方と話す機会がたまたまあって、1番おすすめの映画だったか1番好きな映画だったかを聴いたとき、こちらをすすめられた。観る観るぜった〜い観る!と思ってからしばらく経ち、昨年のGWに神保町シアターにて上映が決まったのを聞いて、行く行くぜった〜い行く!と思ったのになんやかんやあってまたしばらく経ち、ついに2023年4月にNetflix解禁。映画館で観たほうがいいに決まってるのは百も承知で観た。わたしゃさくらももこフリークでもなし、コジコジファンでもなし、ただただ日曜夜6時にちびまる子ちゃんをながら見して育った女である。ただやる気まんまんソングとアララの呪文と宇宙大シャッフルをカラオケでたまに歌う女でしかない。
だから、ちびまる子ちゃんってこんなに詩的でおセンチだったっけ?て動揺した。水族館にいるお姉さんが本当に消えてしまいそうなくらい綺麗で、顔なんて、まるちゃんのお姉ちゃんとたいして変わらないはずなのに、声優さんのせい?(高橋由美子ってあの人かあ!)お姉さんの心のきれいさに優しさに包まれるような幸せな気分になった。まるちゃんの純粋さや表情の豊かさにも温かい気持ちになった。もちろん音楽アニメーションも最高で、意外と1番良かったのは『買い物ブギ』曲自体初めて聴いたがメチャクチャ格好よかった〜!!レコードほしいくらい!!そんな感じで、本当に良かったんだけど、やっぱり後半は、花嫁なんかクソ喰らえ!の嫌悪感が優ってしまったのだった。恋人の佐藤くんもサイテーだしまるちゃんもひどい。ひどいよ、ひどいよ、、、って哀しくなった。入賞のことばでほろりきてしまうけれど、お姉さんが北海道のだだっ広い農場で遠くを見つめている姿を想像してしまうのは余計なお世話ですか?余計なお世話です。分かっている。でも、大自然に囲まれても、大好きな人が近くにいても、入賞というひとつの目標を達成できても、東京で学びたかったっていう夢はそこでは叶えようがない。めんこい仔馬の歌になぞらえるなら、今は一緒にいないを選択して2人の門出をお互いが万歳って祝福できたらよかったのに。それが離れていても大好きな気持ちは変わらないってことじゃないのかね?大石先生が言うように、生きていたら「別れてもずっと忘れない」ってことが何回もあるのに、あの若さで決断するのはあまりにも早すぎるし、決断を強いる周りはあまりに無責任すぎる。一方で戦争や天災の後に、『別れ』より辛いことはないという思考に至るのも分かるから時代背景を思うと複雑ではある。でもやっぱり手放しで良かった〜!!とは言えなかった。だけどわたしがこの映画をすすめてもらった帰り道、電車の中でも話は盛り上がり、井の頭線の途中駅で降りるはずの彼が「話の途中だからこのまま行くわ」と言ってそのまま話続けて吉祥寺まで来てくれたこと。コミュ障卑屈オバケのわたしはものすごく嬉しかったんだよ。終点の吉祥寺駅で降りて、そのまま反対方面へ帰って行く姿を見て、映画を好きで良かったと思えた夜だった。
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