とり

大停電の夜にのとりのネタバレレビュー・内容・結末

大停電の夜に(2005年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

群像劇としてはまぁまぁよく出来てると思いました。
恋愛メインっていうのが好みじゃないのでやや長く感じたけど。
やっぱり群像劇っていうのは人生そのものがテーマとして筋が通ってないと弱い。観てる間は楽しめても後に残らないんですよね。
そして大人数のわりにそれぞれの関連性や見分けが容易についたのは、知ってる俳優が多くいたおかげと、老若男女わりとバラエティに富んでいたからでしょう。あとペアで登場してる人たちは覚えるのがラクで良いと思います。
クリスマスイブの夜に東京が大停電になり、その間に起こる数々のエピソードってことですが…。
なんだかこの設定が全くといっていいほどいかされていないのがもったいない。
みんな全然寒そうじゃないし、未曾有の大停電だというのにウソのように落ち着き払ってるし。
原田知世とトヨエツの印象が突出してるような気がして、この2人の印象がそのまんま映画のイメージにつながってるのかなぁと。
全体的におとぎ話風の作りなのに、不倫が題材の大きなウエイトを占めているのがなんだかなーって感じ。どれだけ自分を振り返ってみたり相手を気遣ってみても、所詮やってることは不倫ですから。
エレベーターの中で井川がまさか自分が不倫をするなんて…ってセリフを言ってるけど、いやいやいかにも不倫しそうなタイプですよってツッコミ。
おそらく彼女は今後もきっかけがあれば同じことを繰り返すでしょう。そんな感じの演技にしか見えなかったもん。
井川の演技はそんな感じですが、それ以外の俳優さんたちも白々しいセリフのオンパレードで見ていてきつかった。いかにも演じてるというか、あんまり本音として感じられないというか。おしゃれなおとぎ話を狙ってのセリフだったのかもしれないけど、あまりにも寒かったよ。景色は全く寒く感じられなかったのに。
一個だけいいなぁと思いながら聞き入ったのは宇津井と淡島千景の会話シーン。戦後も停電が多かったうんぬんという部分にだけぬくもりを感じたような気がした。
淡島は全体的に良い演技だったな。たたずまい・表情が私のハートにグッときました。
ブレンディコーヒーが飲みたくなった自分がちょっと悔しい。
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