りんごチャン

デリカテッセンのりんごチャンのレビュー・感想・評価

デリカテッセン(1991年製作の映画)
3.6
独特な世界観。
ジャケットに引き寄せられ裏面のあらすじを読んで「これは借りなければ!」と。赤いセロファン紙を通して観てるような明るめの映像のせいで物語が始まった途端期待してた路線じゃないことに薄々気付く。

食糧難で人肉を売りさばく店主は猟奇的な言動だし狙われる男ルイゾンも危機的状況なんだけれども全く煽られない恐怖感。どちらかといえば笑える。シチュエーション造りが計算し尽くされていて、店主の情事で軋むベッドスプリングの音が近隣住民の生活音とシンクロしていたり配管を伝って違う部屋の様子を覗いたり。とにかく映像へのこだわりが凄く伝わってくる。ストーリーは風刺をきかせたドタバタ喜劇のよう。

同じ食糧難なら「ソイレントグリーン(‘73)」の方が食べたいかな(*_*)