りんごチャンさんの映画レビュー・感想・評価

りんごチャン

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愛すれど哀しく(1971年製作の映画)

4.2

骨までしゃぶられる、とはこういう事なのね。

洗濯場で働く貧しい娘ベルタは、パン職人のブブという男に夢中になり冷静な判断もできない状態で父親の忠告を無視して家を飛び出す。

やっと見つけた幸せに、ブブ
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不思議な雑貨屋さん(2014年製作の映画)

3.7

雑貨屋さんっていいですね。

舞台となるアンティークショップは店構えからして良い。店主は古物商兼心理カウンセラーの有資格者か…。何とも不思議なお店。

探し物がハッキリしない男性客に店主はあの手この手
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みじかくも美しく燃え(1967年製作の映画)

3.8

やっと鑑賞できました。しかも無料で◎

19世紀に実際に起きた事件を元にした作品。脱走した陸軍中尉と綱渡り芸人の女の駆け落ち。

この二人がまぁ美しい。突然行方をくらませた中尉を探し当てて忠告する親友
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微妙なプレゼント(2015年製作の映画)

2.0

微妙なプレゼントというか微妙な作品。

コメディでも全然笑えないのはお国柄の違い⁈

休日ではなく平日に誕生日パーティされるとか、友人の車に同乗中に起きた事故時の対応とか見てると嫌われ者かと捉えてしま
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ザ・トライブ(2014年製作の映画)

4.0

すっごいパンチ力。

オープニングタイトルのあとに続く「この映画の言語は手話である 字幕や吹き替えは存在しない」の言葉に最後まで観ることができるか不安がよぎる。

ウクライナの手話が理解できるわけなく
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おっぱいとお月さま(1994年製作の映画)

3.4

久しぶりにスペインらしいぶっ飛んだ作品を。気負わずに観れるのが良い。

9歳の坊やテテが「僕だけのおっぱいが欲しい」とお月さまに願う。見るからに幼く可愛いテテだけれど、そのガッツリ半端ない願いは鬼気迫
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満月の夜(1984年製作の映画)

3.8

満月の夜はやっぱり侮れない。

いったいどんな女遍歴があったのか…エリック・ロメールの描く女は毎度扱いが難しい。今作も然り。

郊外で同棲する男女。男は、同棲しているんだから行動は何でも一緒にしたい派
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パンと裏通り(1970年製作の映画)

4.5

かわいい邦題。と思ったら中身もかわいかった。

キアロスタミ初期の短編。もうこの頃からチビっこに対するスパルタ癖が見え隠れ。

タイトルの“パン”が気になり調べてみると、少年が抱えたどう見てもパンに見
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ひなぎく(1966年製作の映画)

4.2

お、おしゃれ過ぎる!

大好きな70年代にも届かない‘66年。画像検索すれば日本もまだ着物で街歩いてる人がチラホラ。50年以上も前(しかもチェコ🇨🇿で)とは到底思えない自由奔放で縦横無尽な表現力!
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フール・フォア・ラブ(1985年製作の映画)

3.8

久しぶりにロバート・アルトマンを。

いつも先が読めないアルトマン作品だけどこれもまた…と言ってもサム・シェパード脚本の舞台劇の映画化とか。調べると日本でもチラホラ舞台化されているようなので定評ある脚
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ナイチンゲール(2019年製作の映画)

3.3

尊厳を奪う方も奪われる方もひと目でわかる荒んだ心理状態。鬼畜どもの傍若無人ぶりは目を覆わずにはいられず、あっという間に主人公クレアの気持ちに同期する。

心のよりどころを奪われた者同士にも立ちはだかる
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ヴェロニクと怠慢な生徒(1958年製作の映画)

3.4

Save our local cinemasプロジェクトに微力ながら支援させていただいたところ、先日お礼状が届きました。13の各参加劇場からのメッセージに胸を熱くしながらフレームに納め、DVDスペース>>続きを読む

太陽の下で 真実の北朝鮮(2015年製作の映画)

3.4

正気の沙汰ではない

「太陽節」の名にふさわしい真っ赤な金正日花の花言葉が“愛”や“平和”。この花だけでなく全てにおいて見掛け倒しに終始していた。

本来無垢で本質的なはずの子どもが発する言葉は皆無。
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ザ・ペスト(2001年製作の映画)

4.2

フォロワーさん絶賛!手に取るように状況がわかる今だからこそ観るべき秀作。

ある救急現場に駆けつけるとそこはネズミの巣窟だった…。同じ頃謎の症状で運び込まれる患者に端を発し、その不確定な噂と感染症がケ
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アグネス(2014年製作の映画)

3.6

アグネスかわいいー♡でも6歳の目じゃない。その目はもうオンナ。

おぼつかない手でお兄ちゃんの朝食を用意する表情からアグネスの感情が読み取れる。

歳の離れたお兄ちゃん(イケメン!)もお年頃。アグネス
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二つの窓(2016年製作の映画)

3.5

脚がゾワゾワすくんで観てられなかった!

レンチ(多分…)を落としてから下で音がするまで思ったより時間がかかったので3、4階ぐらいの高さと推測したら、あらすじに4階建てと書いてあった。いい線いってるわ
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糧なき土地(1932年製作の映画)

4.2

ブニュエルにはじめて興味を抱いたジャケット。蓋を開けると、30分ほどの短い時間に綴られたハッと息を飲む描写とナレーションが続く。

スペインのある未開の村を撮った短編ドキュメント。開けていて華やかな冒
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飛行士の妻(1980年製作の映画)

3.9

久しぶりにエリック・ロメール。作品欄のジャケット群を眺めるのが結構お気に入り。

ロメール作品御用達のめんどくさい女がまた登場。「緑の光線」でだいぶんめんどくさかったマリー・リヴィエールが、その容姿も
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ポゼッション(1981年製作の映画)

3.9

やっと届いた。

体力消耗作品。完全憑依の全キャストに脱帽。

ただの夫婦の不倫問題とは思えない不穏な音楽とイザベル・アジャーニの妖艶さで早々から前のめり状態。アジャーニ演じるアンナの妖しさがどんどん
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アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

4.0

シュルレアリスム…メモメモ。

背伸びしてブニュエルの世界に踏み込んでみた。1928年でこの前衛的支離滅裂さ。オシャレ過ぎる!DVDボックスの柄がストライプな理由も判明。

意味不明の羅列。この世界観
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不知火檢校(1960年製作の映画)

3.9

すぐに忘れるので…

読み:しらぬいけんぎょう
不知火:九州地方で見られる蜃気楼の一種、九州地方に伝わる妖怪
検校:昔の盲官の最高位名称

勝新による座頭市シリーズの先駆け(※Wiki)だと後に知る。
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りんご(1998年製作の映画)

3.8

手に入れるまで数年、手に入れてからも数ヶ月かかった念願の鑑賞!

鉢植えに水が掛かるか掛からないかの瀬戸際的な水遣りで始まる謎のオープニングシーン。その不自然な水遣りが、ある家族の不自然な日常の一部分
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1992年(2016年製作の映画)

3.3

Hi8の映像が懐かしい。

主人公マルタンが撮る日常。父親がまさか観るとは思わなかった非日常の映像(パパにとっては金づちで頭殴られたような映像…)。叱るべきところは叱ってあとは何も言わず自分の背中を見
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グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

3.6

実際にあった事件が下敷きになっているというショッキングなオープニングシーン。数年後の漢江で少しずつ現れ始める異変の片鱗とともに早々に映画の中に引きずり込まれる。

グエムルに娘を拐われてしまう緊急事態
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真夜中のパーティー(1970年製作の映画)

3.8

まだディスカス2月分…。リクエストしてたのも忘れてたこの作品、元は舞台劇で今夏安田顕主演の舞台で上演されるとか。そっちも観てみたくなったほど面白かったけれどもちろんソールドアウト。

ゲイのマイケルの
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ローラーとバイオリン(1960年製作の映画)

4.0

タルコフスキーの卒業制作作品ということでよく知られた作品。学生さんらしく初々しい感触。既に見受けられる水、鏡、光の多用がやっぱり美しいし興奮モノだった。

安定の設定、少年×大人の男の物語にハズレ無し
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ビーチフラッグ(2014年製作の映画)

3.8

短いけど良くできた作品。

誰だって自分の立ち位置を脅かすライバルが現れたらいい気はしない。でもこの国特有のあの事情…若い娘を脅かす魔の手がライバルに迫ってきたら…。

暗示的なオープニングが、女性た
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ミュート・ウィットネス(1995年製作の映画)

3.5

真夜中のドキドキは翌日に影響…

オープニングの魅力控えめ女が主役でなくて安心したのも束の間、聾唖の美人主役ビリーが目撃する残忍な殺人現場は、なかなか狂的でその先の展開に期待は高まるばかり!

声が出
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ある過去の行方(2013年製作の映画)

4.0

これまた「別離」に続きGYAOで配信して頂き非常にありがたい作品。CMは我慢我慢だけど。

いやぁ凄かった。ある夫婦が離婚手続きのため再会するというたった一つの行動から、目まぐるしく錯綜する疑念や憶測
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Ricky リッキー(2009年製作の映画)

3.2

問答無用で手に取ってしまったふっくらベビーのジャケット。まさかあんな赤ん坊だとは知らずに…

行政に涙ながらに訴える女のやつれた顔から物語は始まる。惰性で生きてる印象の女がやつれる顔になるまでに時間は
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パン屋強盗(2014年製作の映画)

3.4

強盗に入るのにパン屋をチョイスしてしまった男の話。実話ベースということは、世界には収穫がわずかでも小さなパン屋にドロボーに入ってしまわなければならないほど困った方がいるんですね。

突然の襲撃に死んだ
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死んでもいい経験(1995年製作の映画)

3.8

シネ・ヌーヴォ/キム・ギヨン監督特集。満員御礼。日時が合わずこの作品しか鑑賞できないと気落ちしてたら、神戸でも特集予定の嬉しい情報!

「下女」が気になってるキム・ギヨン監督の遺作。間違いなく観たくな
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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

3.4

繰り返し観ることで主人公の心のありようが見えてくる作品。フワっとだけど。

思慮に欠け漠然と生きる自分が無い男が、嫁に対する関心を皮肉にも彼女が死んでから持ち始めやっぱり愛していたと悟る。

ドラマと
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37セカンズ(2019年製作の映画)

3.7

“37秒間”が与えてくれたかけがえのない成長。

前情報無しのまっさらな状態で観て正解。

彼女とTGV(2016年製作の映画)

3.7

70歳過ぎてお口の周りがシワシワになっても可愛いらしいジェーン・バーキンの魅力が詰まった実話モノ短編。

TGVが走る線路沿いの小さなブルーの窓から振られる赤いスイス国旗🇨🇭。毎日2回儀式のように振ら
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東京暗黒街・竹の家(1955年製作の映画)

3.8

戦後10年の東京の風景がなんとも貴重。

クレジットタイトルから既にサミュエル・フラーワールド。謎めいたタイトル“House of Bamboo(竹の家)“は、当時外国から見たアジアの住宅イメージなの
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