りんごチャン

愛すれど哀しくのりんごチャンのレビュー・感想・評価

愛すれど哀しく(1971年製作の映画)
4.2
骨までしゃぶられる、とはこういう事なのね。

洗濯場で働く貧しい娘ベルタは、パン職人のブブという男に夢中になり冷静な判断もできない状態で父親の忠告を無視して家を飛び出す。

やっと見つけた幸せに、ブブの本性が透けて見えるいくつかの片鱗も見えなくなってしまっているベルタ。幸せの絶頂は、ブブの辛辣な言葉によってあれよあれよという間に天国から地獄の生活へ…

自分の人生を嘆き、身も心も(特に身の方!)ボロボロになりながら歪んだ愛と正真正銘の愛とに翻弄されるベルタに好青年ピエロがかける「気の持ち方で人生は変わるよ」の言葉が響く。

ベルタを演じたオッタヴィア・ピッコロが若気の至りっぷりを好演。救いの無さを強調する銅板に載せたような色合いが堪らない。

ただ街に立つ娼婦が誰一人として魅惑的でないヴィジュアルなのが難点!