満月の夜はやっぱり侮れない。
いったいどんな女遍歴があったのか…エリック・ロメールの描く女は毎度扱いが難しい。今作も然り。
郊外で同棲する男女。男は、同棲しているんだから行動は何でも一緒にしたい派。一方女は、自由を謳歌したく元々住んでいた大都会パリの部屋を手放さず仕事と遊びに大忙し。そんなふたりの11月〜2月の物語。
今回の格言「二人の妻を持つものは心をなくし、二つの家を持つものは分別をなくす」にピッタリ合致する着地点に胸がすく思い。オープニングの長回し場面と同じラストの場面で漂う哀愁が秀逸。女を演じたパスカル・オジェの遺作という事実が重なる。
80年代全開のファッション、インテリア、音楽が新鮮で音楽以外マネしたい。