歴史的転換
1968年 アメリカ/イギリス作品
今から50年以上前に
30年後の人類と世界を描いた作品
眼前に見る実現された世界
過去に創作された世界
両者の対比が面白い
圧倒的な映像美は雄大で絢爛
本当に宇宙を旅している気分になる
鑑賞の前日
なぜか夢にゴリラが出てきた
本作の冒頭
猿人が出てきて驚く
人類の歴史
目に見える不変のモノ
目に見えない普遍のコト
400万年前の猿人(ヒトザル)から
2001年、初の有人木星探査まで
人類の脳の進化
自然や宇宙への
飽くなきフロンティア精神を見る
重力と磁力
普段意識することのない力
それが人体に及ぼす影響が感じられる
地球上で天を仰いだ太陽信仰
地球外で未知なるものを眺めた宇宙信仰
これらを人類は神と呼んだのだろうか
過去→現在→未来
私たちは神の実像を解明しようとし続けて
いるのだろうか
人間の思考と行動
西洋人と日本人の違いに考えが及ぶ
文化人類学者レヴィ・ストロースは
西洋人と日本人の自己を比較分析した
西洋人は自分→組織→社会→自然へ
遠心的に思考し行動する
日本人は自分←組織←社会←自然へ
求心的に思考し行動する
西洋人からみた日本人は
主体性が薄く感じられるという
宇宙への見方も真逆だ
西洋人 自分→宇宙
日本人 自分←宇宙
西洋人は宇宙を地球を開拓・開発する
日本人は宇宙に地球に生かされている
と考える
人間主体の世界観から
自然や宇宙から立ち上がる
主体としての人間像へ
2024年
地球人には
このようなパラダイムの転換が
必要になってきている気がする
「和魂洋才」
日本古来の精神に
西洋からの学問・技術を取り入れ
調和させながら発展させてゆく
そこに独自のアレンジが加わる
本作を観ながら
『機動戦士ガンダム』(富野由悠季)や
『火の鳥』(手塚治)が思い浮かぶ
実際にどう影響したかは知らないけれど
本作が後世のSF創作に及ぼした影響は
大きかっただろう
そう考えると
人類の歴史的転換を描いた本作自体も
人類の創作活動の歴史的転換なのだろう