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2001年宇宙の旅の素数のレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
4.7
旅の日ということで、、、

凄い、凄まじいという言葉しか出てこないというか、言語で表すのは難しすぎる衝撃的な作品でした。


数年前何故か母がDVDを買ってきて私にくれましたがずっと観る気にならずスルー。
そして少し前、途中で寝る映画と話題になってたらしく本当に寝るから観てと言われたものの寝ると分かってて観る気になるか、とまたスルー。
それでもいつかは観ようと思いながら、今日、旅の日、こんな理由でもないともう観ることはないだろうとついに鑑賞。


スタンリー・キューブリック、、、『時計じかけのオレンジ』で強烈なトラウマを植え付けてきた私の宿敵、つまり今作を観るということは私にとってキューブリックとの戦い、リベンジ。
さらに、映画の途中で寝ない自信がある私と寝る映画との戦いでもありました。

結果、試合に勝って勝負に負けた、まさにそんな感じです。寝てないけど完敗。


前半、正直退屈が過ぎました、これは睡眠不足とかだったら寝ますわ、、、
でも、なんだか狂気を感じる、

キューブリック作品が合わないとか嫌いとかそんな簡単な問題ではなくて、平和な環境で平凡に生きてきた私にはキューブリックの持つ独特な狂気の感性が無いのではないか、だから面白いと思えないのではないだろうか、
退屈すぎてそんなことを考えたりしていました。つまりこの時点ではこの作品も私には良さは分からないのだろうと感じていました。
凄さとかキューブリックの想像力とか独特な狂気とか、こういうところが評価されているのだろうけど私は好きじゃない、そんな感じです。


しかし、HALがおかしくなってきた辺りから緊張感で目が離せなくなってきました、、、
あの赤く光るランプと目が合う感じと宇宙空間であるという恐怖感、

それだけじゃなくてその後最後までずっとなんとも言えないような恐怖感があって、ホラーとも違うしジャンルが分からない、何に対しての恐怖なのかも分からない、でもなんだか胸がザワザワする、だからといって嫌な感じではない不思議な恐怖感、狂気、凄まじい、、、これがキューブリック、、?


正直内容は説明出来ないし訳が分からない、ほとんど理解できてないと思います。
真ん中くらいでは後からいろんな人の説明とか解釈を読むのが楽しみと思ってました。
けど最後まで観て、内容とか意味とかそんなものはどうでもよくてこれを観ているときに感じた言語化出来ない感情こそが全てなのではないかと思えてきました。

(まあ今から解釈漁ろうと思ってますけど(笑))


とにかく本当に凄い作品を観たという感じで放心状態です。間違いなく傑作。




キューブリックとの戦いは続くーーー
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