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2001年宇宙の旅のnagashingのレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
4.5
スター・ゲートに突入した瞬間、最前列真正面に陣取ったことにガッツポーズ。ボーマンといっしょに進化して生まれ変われそうな没入感と陶酔感。撮影技術が古び、テーマや未来観が時代錯誤なものとなっても、なお色あせることのないめくるめく視聴覚体験。IMAXで新たに確認できる色味の官能性と、セット・ミニチュア・小道具の精緻さに陶然。音波やアラームの高音がキーンっと耳をつんざき、劇伴の低音がズンズンと身体に響く。慣性運動を見守る固定カメラ、異文明や人工知能との対峙に寄り添う手持ちカメラがそれぞれ生み出す緊張感も凄まじい。科学的な考証の確からしさと、説明を極力排したことによる神秘性が、永遠に追いつけない高次の過去へと人類を導く。もはや日本語字幕はノイズでしかない。
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