JUN

2001年宇宙の旅のJUNのレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
3.6
いや、何がわからないかすらわからないし、そもそも何もわからない。
本当に理解できなさすぎて何も言えない。

決して悪い意味ではなく「映画評論家っぽい気分の人が高評価つけそうな映画」だと思った。

50年も前に作られたのに、まるで最近作られたのではないかという映像や登場する技術に敬服。宇宙映画で記憶に新しいのは"ファーストマン"ですが、月面着陸前のこの映画の方が圧倒されるのは何故だろう。もしかしたら映像もそうですが、静寂とクラシックというミニマルでしかし荘厳な雰囲気の音が、そう感じさせているのかもしれない。
全体的にスローで、信号をゆっくり渡るご老人を見届けている気分ですが、それもより宇宙空間を感じられて良い要素なのかも。

ただ、主旨が異常に抽象的。
そして、キューブリック監督の映画に一貫して感じる不思議な暴力性を纏わせた本当に不思議な映画。
主旨が人類(生命)の進化であるのはなんとなくわかるのです。(あとAIの暴走?)しかし、それをなぜこんなに抽象的に描く必要があったのかがわからない。まだまだ映画に対して未熟で物事に対して無知な私だからでしょうが、この映画を神秘的な素晴らしい映画だとはどうしても思えなかった。どちらかというと、ものすごく例えが悪いのですが、親のセックスビデオを見せられて「これが人類の神秘で、君の進化なんだ」と囁かれているような気分になった。

うまく言えないのですが、映像や議題が素晴らしいのに、抽象化された暴力を受けているような、そんな不思議な映画だと私は感じました。ただ、それが悪いのかと言われれば"No"で、深く考えてしまうような不思議な魅力を持っているのも、これもまた事実なのだと思います。

結果、全然まとまらないのですが…
「だいぶ映画について詳しくなったぞ!」と思ったとき、初心に帰るために見るべき映画ですね。
JUN

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