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ディープエンド・オブ・オーシャンのmiiのレビュー・感想・評価

3.8
ベス(ミシェル・ファイファー)は 高校の同窓会に長男のヴィンセントと次男のベン 赤ん坊のケリーを連れていくが
3歳のベンが失踪してしまう。
9年後 偶然に彼が見つかるというお話。
願っていた再会であったはずなのに···

ベンは「サム」という名で愛情深く育てられていた。
実の両親は覚えていない。
生みの親か?育ての親か?
この揺らぎは「八日目の蝉」のよう。

母親のベスからしたら 空白の9年間を取り戻すべく
息子と暮らしたい。
けれど彼の気持ちは?
この葛藤がうまく描かれていた。

そして それは家族にも。
あの時 弟から目を離してしまった兄も責任を感じているのです。
彼も被害者。
お兄ちゃんは悪くないんだよ。
なのに その罪悪感を抱えたまま大きくなってしまい
愛情不足で育ってしまったのが不憫でならない。
子を守るべき母親も被害者であり
登場人物皆が被害者。
育ての父親ジョージでさえも。

ふとした時に サムの過去が蘇ります。
それは「香り」から。
兄弟のかくれんぼの会話が泣けてきました。

サムは将来結婚して子供ができたなら
両親の気持ちが分かると思う。
理解できたなら 親孝行してほしいな。
母親からすれば 息子が笑顔で幸せに暮らしてくれたなら···
それがいちばんの願いだから。

彼が優しい子に育てられたのが 救いだった。
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