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ゾディアックのKotaのレビュー・感想・評価

ゾディアック(2006年製作の映画)
3.4
“証拠のない真実もある。”

1960年代に実際に起きた未解決事件ゾディアックを、ミステリーの神様フィンチャーが映画化っていうんだからそりゃ面白いよねって思ってたけど、確信を掴めないモヤモヤがサンフランシスコの厚い雲のように二時間半のしかかってきて結構しんどかった…。

コマ切れでテンポ良すぎるくらいに1ヶ月、1年とどんどん月日が過ぎていくけど、怪しい人が2300人って実際担当した刑事は本当に大変だったんだろうなぁ。犯行のシーンも犯人の顔はもちろん見えない。印象的だったのがジェイク演じるグレイスミスが刑務所で被害者の姉リンダに「(覚えてなくても)言えよ、犯人の名前を!」って強要したところ。こうやって真実を追い求めるあまり、自分の確信を真実に捻じ曲げてしまうんだろうね。

冒頭最初の被害者が殺害されるまでのカメラワークと音楽が織りなす緊張感が最高で、さすがフィンチャー様ってなってた。けど、そっからは長かったなぁ…。これが現実なんだから仕方ないけど、映画にするにはあまりにも地味で救われないお話でした。
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