山椒

ひめゆりの塔の山椒のネタバレレビュー・内容・結末

ひめゆりの塔(1953年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

沖縄決戦を見た後に
すぐさまひめゆりの初期映画を鑑賞

オープニングで
名前一覧が手書きで並んでるけど
〜子って名前が
あまりにも多すぎて驚愕

白黒なのと人の会話が
モゴモゴして聞こえないところは
時代的に仕方ないことだろう

この映画に出てくる
先生たちの影響力の強さがエグい。

日本女学生看護部隊の少女たちが
懸命に救護している途中で
早くしろ馬鹿野郎とか言われたら
もう辞めまーすとかなる精神の
子が1人もいなかったのが
現代社会から考えると不思議でならない

一人一人に手榴弾を配り
いざというときは
潔く散れというのに
静かに頷く少女たちの世界は本当に
狂っていた時代を生きていたのがわかる

青酸カリ欲しさに
じゃんけんする世界‥

楽しく明るく振る舞っていても
母親を思い出したら全員が
泣き崩れてしまうシーンがつらい

最後もうダメだとわかり
自分で手榴弾を抱える少女や
先生に抱えられながらみんなで
よりそい死に急ぐ姿もしんどい

終わり方が誰も降伏なんてしなくて
ただただ全員死んで終の文字が
あまりにもあっさりすぎるけど
何故かリアリティがある‥。
本作は戦後8年後に作られていて
ほとんどの役者が戦争経験者なので
現代で作られた映画とは
何か違う緊張感もあったのかな
山椒

山椒