とり

アラジンのとりのレビュー・感想・評価

アラジン(1992年製作の映画)
4.0
有名なストーリーだし要所要所のシーンも細切れに知ってるし、これといった新鮮味はなかったけど、ずっと登場人物たちがチャカチャカせわしなく動いてるので退屈することもなく楽しめました。
序盤、貧乏人でまぎれもなくチンピラ青年である主人公の悪行の数々を見てる間は、ちょっとなんだかなーって微妙な気分に。
裏路地で飢えた子供達の描写とかもあって、この国は病んでいる、となんとなくぼんやり考えてしまうんですね。
だからその後出てくるお姫様や王様にちょっとした偏見を持ってしまうのが残念かなぁ。
この王家の2人は後に善良な人たちであることはあっさり理解できたけど、善良なだけでは国を任せたくないなって感じ。
ということで、アラジンの優しさは他の方法で示して欲しかった。
メインはアラジンとジャスミン姫のラブストーリー…のはずなのに、やっぱり真の主役はランプの精ジーニー、これに尽きます!
ジーニー登場が待ち遠しいったらない。賑やかに動き回り変身しまくりのワンマンショーがめちゃめちゃ可愛い。
主人がジャファーの時の悪魔のようなジーニーも素敵。姿かたちはどう見てもおっさんですが、不思議な愛されキャラ。幽霊みたいな尻尾?くるくる巻きも超可愛い。
ふと思ったのはアラジン=のび太、ジーニー=ドラえもん。
ジーニーがいなかったらきっとアラジンはつまらないチンピラのまま一生を終えたことでしょう。もっと言えばジャファーのおかげでもあるのか。勇気と優しさだけでは人生は変えられないよ現実問題として。
てことで、ジーニーのおかげで見事に逆玉に乗ったアラジンと、世間知らずジャスミン姫のめでたしめでたしは、どうも私の中ではいまいち釈然としない気持ちが残りました。
他のディズニーアニメでのお約束、王子様のもとに一般人女性が嫁ぐハッピーエンドはOKなんだけど、逆はどうもひっかかる。しかも一般人どころかケチなチンピラ。
ジャスミン姫はジーニーの魅力にはこれっぽっちも気付かなかったのかな~?
あと吹き替え版について。羽賀研二のアラジンは本当に素晴らしかったので、いつか再び日の目を見ることを願ってます。
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